MSI Z87 MPOWER MAXでOCテスト

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MSIのZ87マザーボード、Z87 MPOWER MAXでINTEL Core i7 4770KをOCテストしてみた。Z87でのOCの方法を解説するとともに、オーバークロックマザーとしてうたわれているマザーでのポイントを探ってみたい。

マザーボードの外観

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このマザーボードを持った感触は一言「重い」だ。PWMに取り付けられているヒートシンクが非常にしっかりた素材が使われている。またMPOWER MAXは、Hi-C CAPと呼ばれるコンデンサが採用されている。タンタルという希少金属を使用したコンデンサで、形状が黒色の薄い直方体なため、CPUソケット周りがとてもすっきりとしている。

CPUソケット周りに円錐型のコンデンサがたくさん生えていると、クーラーの取り付けに苦労したりする(極冷の場合は養生がやりづらい)。

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Hi-C CAPはメーカーのサイトに長寿命、低発熱がうたわれているが、それよりソケット周りの高いクリアランス性のほうを評価したい。

他の部分としては、OCをテストする上では非常に便利であるポストコードLED、オンボードスイッチ、テスターポイントも付いていて、使いやすかった。特にポストコードは再起動後、起動するか、どこで引っかかっているかの判断がつけやすくなる。「00から落ちた」、「99で止まった」、「9Cに行けば起動する」など特に知識がなくてもコードを眺めていれば自然とその動向がつかめてくるはずだ。

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オーバークロックの方法

今回Z87 MPOWER MAXを以下の手順でOC検証してみた。

(1)付属のソフトCommand CenterでOS上から、目標値の目安をつける
(2)BIOSで設定を行う
(3)ベンチソフトで安定度を試す

OCで遊びたい場合は(1)をとことん突き詰め、安定度の高いOCを実用的に使いたいなら、(3)をしっかりと行うといいだろう。

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マザーボード付属ツール、Command Centerを使う

CC01_02マザーボードに付属する「Command Center」はPCの状態を視覚的に確認したり、クリックで簡単に設定を変更したりできるMSI製のアプリケーションだ。OCを試すなら是非インストールしておきたい。

Command Centerを使ったOCの基本操作はCPU倍率と、CPU Core Voltageを変更することだ。CPU倍率の変更はチェックボックスで、コア毎に指定できるようになっている。オーバークロックの検証の基本手順は以下のようになる。

(1)「Ratio」の「+」ボタンで倍率を変更して「Apply」ボタンを押す
(2)CPUクロックが上がったことを確かめる
(3)安定度を確認するため、ベンチマークソフトを走らせてみる
(4)これを繰り返し、現在の設定電圧の動作限界値を探る
(5)CPU電圧を「CPU Core Voltage」の「+」ボタンで設定し、「Apply」ボタンを押す
(6)再び(1)~(4)で限界値を探る

このように(1)~(6)の一連の動作検証を行って、限界値を探る。CPU電圧については「INTEL Core i7 4770Kのオーバークロック耐性」の記事を参考にしていただきたい。

Command CenterではCPUコア電圧だけでなく、かなり細かい電圧設定、メモリのタイミング設定なども可能となっている。

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OCツールについて動作は良好だが、反応とアプリケーションの起動がかなりもたもたしている。OCの検証目的であれば軽い動作であることが重要ポイントとなる。サクサク検証したい場合は、Command Center Liteというアプリケーションが用意されている。こちらはCommand Centerと違いグラフィカルな要素がなく、数値を入れて「Apply」ボタンを押すだけという簡素な作りとなっている。その分、動作は非常に軽いので、OCに慣れている人、またはCommand CenterでOCの感覚がつかめた人はLiteを使ってみるといいだろう。

command center lite

BIOS設定

OS上でなんとなくCPUの耐性がつかめたところで、BIOSで設定してみたい。OCで常用する場合はBIOSで細かく設定してから、安定度を検証するといいだろう。

BIOSで設定する部分は左のメニュー「OC」タブに入っている。MSI Z87 MPOWER MAXでオーバークロック時に手動設定する箇所はそれほど多くない。4770Kなど「K」付きCPUであれば、基本は倍率を変更して、クロックに合わせてCPU Core電圧を上げていくだけだ。

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まず「Adjust CPU Ratio」に直接倍率を数値入力する。「40」と入力すると40×100MHzで4000MHz=4.0GHz動作となる。あとは「CPU Core Voltage」で電圧を設定する。「1.2」と入力すると、1.200Vとなる。倍率と電圧についてはOS上で検証したデータを元にそれぞれのCPUに合わせたセッティングにする。OS上の検証より、少し低いクロック、少し多めの電圧でないと常用動作は安定しない。

ベースクロックのオーバークロック

今回のHaswellではベースクロックの倍率を変更できる。「CPU Base Clock Strap」に「1.25」「1.67」「2.5」の設定があるが、このMPOWER MAXの場合は、この項目は「AUTO」のままでOKだ。MSIのBIOS設計では倍率はCPU Base Clockの設定に合わせて、自動選択されるようになっている。そのためユーザーは倍率は設定せず、ベースクロックを変更だけど行えばよい。

MSI_SnapShot_07_02ベースクロックを上げる場合、CPU倍率、メモリクロックを設定しなおす。
「CPU Base Clock」を「125」に設定する。
CPUクロックはCPU倍率×ベースクロックなので、ターゲットのCPUクロックになるようにCPU倍率を変更する。
また「DRAM Frequency」を見直す。ベースクロックを「125」にした場合、「DRAM Frequency」を「DDR3-1066MHz」にすると、実際のクロックはDDR3-1334MHzとなる。メモリクロックがスペック以上になってしまうと、PCが起動しなかったり、安定しない原因となる。

ベースクロックの変更がどの程度可能かはCPUの耐性によって異なる。またどのベースクロックが安定するかは負荷テストなどしっかり行う必要がある。

このベースクロックのOCとCPU Strapについては「MSI Z87 XPOWERでBCLKをアップ ~HaswellのCPU Strapを試す~」にまとめたのでそちらも参考にどうぞ。

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 ●検証機材

マザーボード MSI Z87 MPOWER MAX
CPU INTEL Core i7 4770K
メモリ G.Skill F3-1866C11D-8GSR
CPUクーラー Prolimatech Megahalems

 

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