新興メーカーCyonicの電源ユニット「CY-AR750GM」
Seasonicに所属した経験を持つスタッフが立ち上げた新興メーカーCyonic。そのCyonicが最初の製品としてリリースしたのが、電源ユニット「ARISEシリーズ」だ。今回紹介するCY-AR750GMは、同シリーズの最上位にラインナップされている。
CY-AR750GMという型番から察しがつく通り、この電源ユニットの総出力は750W。80PLUS GOLD認証を取得したATX電源である。12V出力を1系統に纏めたシングルレール設計を採用しており、12V出力は最大62A(744W)を供給できる。また、Haswell世代のIntel CPUが、新設されたC6/C7ステート時に要求する最小出力(12V/0.05A)にも対応する。
電源筐体の奥行きは140mmで、ケーブルは全て電源筐体に直付けされている。冷却ファンにはボールベアリング採用の120mm角ファンを搭載。「インテリジェントファンコントロール」機能を備えており、ファンの回転数は出力に応じて可変する。
ケーブル直付けで価格を重視した製品構成ではあるのだが、「手頃な価格でプレミアム品質の製品を提供する」というCyonicの方針に基づき、日本製105℃コンデンサの採用や、5年間の製品保証など、品質面に関しては一定のこだわりが見てとれる。
型番 | CY-AR750GM |
規格 | ATX12V/EPS12V |
80PLUS | Gold認証 |
ケーブル | 直付け式 |
Active PFC | 対応 |
冷却ファン | 120mmファン (ボールベアリング) |
保護機能 | 過電流保護、過電圧保護、過小電力保護、過電流保護、加熱保護、短絡回路保護 |
筐体寸法 | 150mm × 86mm × 140mm(幅×高さ×奥行き) |
コネクタ 【コネクタ数】 | ケーブル長 (mm) | 本数 |
メイン20+4ピンコネクタ【1基】 | 600 | 1本 |
EPS12V(4+4ピン)【1基】 | 650 | 1本 |
EPS12V(8ピン)【1基】 | 650 | 1本 |
PCI-E(6+2ピン)【2基】 | 600 + 100 | 2本 |
SATA 【4基】 | 400 + 100 + 100 + 100 | 1本 |
SATA 【4基】 | 500 + 100 + 100 + 100 | 1本 |
SATA 【2基】 | 500 + 100 | 1本 |
ペリフェラル 【4基】 + FDD【1基】 | 400 + 100 + 100 + 100 + 100 | 1本 |
まとめ
使い勝手の面では、不要なケーブルを外せないケーブル直付け方式のため、ケーブルマネージメントで多少苦労することがあるだろう。一方で、ケーブル直付け方式に加え、140mmというショートサイズな筐体を採用したことで、電源ユニットの奥行きに対する要求が厳しいPCケースに搭載しやすい点はメリットとなる。また、12Vシングルレール設計であるため、ケーブルと出力系統の関係を考慮することなく配線できる点もプラスに評価できる。
品質面について、他のメーカーのように蓄積した評価の存在しないCyonicではあるが、電源ユニットで高い評価を獲得しているSeasonicの元スタッフが関わっていることと、日本製の105℃コンデンサを採用し、このグレードの製品としては比較的長めの5年間保証が付与されている点が、評価のポイントとなる。
CY-AR750GMの実売価格は15,000円前後であり、80PLUS GOLD認証の750W電源としてはそこそこ安い部類に入る。Intel LGA1150のようなメインストリームプラットフォーム向けの電源ユニットとして、好適な一台と言えるだろう。
Cyonic CY-AR750GM ~ 選択のポイント
・全長140mmショートサイズ設計
・5年間の長期保証
・80PLUS GOLD認証電源としては手頃な価格
<機材協力>
マスタードシード株式会社
製品情報
Cyonic ARISEシリーズ CY-AR750GM
http://www.mustardseed.co.jp/products/cyonic/psu/cy-ar750gm.html